日本歯科口腔衛生学会に参加して参りました
皆さまこんにちは。
歯科衛生士のキユナです。
今回は大阪で開催された第72回日本口腔衛生学会学術大会に参加して参りました。
今回の学術大会は
「防ぎ守る」
をテーマに様々なシンポジウムやセミナーがございました。
20世紀の日本における歯科医療といえば、むし歯になれば削って詰める・歯周病で歯がグラつけば抜歯する、
というようなスタイルでしたよね?近年の日本の歯科医療は、病気になったら治療するに加えて
虫歯や歯周病をつくらない、またはコントロールするという予防スタイルの流れに欧米諸国に大きな遅れをとりつつも、
シフトチェンジしてきています。
この防ぎ守る時代
主体となってくるのは、我々歯科衛生士や歯科医師、
ではなく、
患者様ご自身です。
歯科医院での定期的なメインテナンスを継続的に受けていてもご自宅でのセルフケアを行わないでいると、
良い状態を維持する事は不可能です。
歯科医師や歯科衛生士には、生涯28(全て自分の歯)を目標とし専門的な立場から患者様主体のセルフケアやQOLの維持向上のサポートを行い、お口の健康を通してみなさまの健康寿命の延伸に寄与する役割があります。
医院において、予防を担うのが歯科衛生士です。
歯科衛生士の法律で定められている3大業務のうち2つが予防に関する業務となっております。
歯科予防処置
歯科保健指導
の2つです。
歯科予防処置業務には、フッ化物塗布に代表されるような口腔疾患の予防を目的とした薬物塗布、
小窩裂溝填塞(シーラント、むし歯予防として奥歯の複雑な溝を埋める)、歯石歯垢の除去等の口腔衛生などがあります。
歯科保健指導業務には、むし歯や歯周病を含めた生活習慣病の予防や改善のために、
生まれてからお亡くなりににるまで様々なライフステージ、生活背景に合わせた栄養指導やセルフケアのご提案、
ご自身でのケアが困難な場合は介助者様へのサポートを行う仕事などがあります。
今回の学会では、フッ化物応用に関する新たなガイドラインや追跡調査の報告、公衆の歯科口腔衛生に関すること、
加熱式タバコが喫煙者や受動喫煙者に与える悪影響、超高齢社会をふまえたインプラント治療やメインテナンスについてのセミナー、
高齢者肺炎予防、顎骨壊死予防、周術期合併症予防、ナッジ理論を応用した歯科保健指導の実際、
など内容が濃くとても勉強になりました。
学んできた内容を臨床に活かし質の良いサポートを実現できるよう、これからも知識、技術の研鑽に努めて参ります。