精密根管治療とは?
虫歯が大きく進行した場合などは、虫歯菌に感染してしまった歯の内部を通っている神経細胞を取り除かなければなりません。
この神経細胞や血管が通っている歯の内部の管(くだ)のことを根管といいます。
根管内がキレイに洗浄消毒されずに細菌が残ってしまうと、感染を繰り返して根の病気が治らない原因になってしまいます。
精密根管治療では、ペンシルベニア大学のクラッチマン先生にご教授頂いた科学的根拠に基づいた世界基準の根管治療法を行います。
また、精密根管治療では保険診療では取り扱えない高精度の材料や器具を使用し、治療の最初から最後まで、使い回しのない患者様専用の新品の器具をご用意して治療を行うことで使用する器具の劣化へ配慮しています。
他の歯科医院で抜歯と診断を受けた歯も、少しでも長く残せる可能性もありますので、お悩みの方は一度ご相談ください。
マイクロスコープの使用で約20倍の拡大視野で治療
歯の内部の根管は非常に細く、肉眼や拡大鏡では根の先まで見ることは困難です。精密根管治療では、3Dレントゲン画像で根管の形を参考にしたり、3Dレントゲンでは確認しずらい細かなクラック(破折線)などの確認にはマイクロスコープの使用が有用で、最大20倍の拡大視野下で慎重に根管治療を行います。
最新の器具器材の使用でより繊細な操作性
従来の根管治療は、術者が手探りで行う感覚に大きく頼っているところがありましたが、近年、操作性や精度の高い根管治療器具が多数開発されています。当院では、デンタルIQやXPフィニッシャーなど様々な高精度の器材を使用し、感覚だけに頼らないより精巧度の高い治療を実現しています。
根管に残留したファイル除去も行っております
根管の治療の際に、ファイルと呼ばれる細い治療器具が劣化や力加減などの影響で根の先の付近で折れてしまうことがまれにあります。
この折れてしまったファイルをそのまま残した状態にしておくと予後不良となり、抜歯にいたるケースもあります。当院では、マイクロスコープや特殊な器械を使用して、根管に残留してしまったファイル除去治療も行っておりますので、以前の治療で残留したファイルがそのままになっていて除去が必要な場合は、お気軽にご相談ください。
マイクロスコープ下で行う口腔外科治療
当院では、マイクロスコープを使用し拡大視野下でより繊細に精度の高い自由診療の口腔外科治療を行っております。
MTA歯根端切除術
何度根管治療しても治らない歯や、根元に膿がたまってしまっている歯の場合には歯の根の先を切除する歯根端切除術を行うことで、歯を少しでも長く残せる可能性が出てきます。マイクロスコープ視野下で行う歯根端切除術では保険治療では適応できない材料や治療手技でとり行います。根元の歯茎を小さく切り開き、感染している根の先を切除し、MTAセメントで密閉します。感染による骨吸収が大きな場合には骨補填剤を使用することもあります。
歯冠長延長術
歯冠長延長術とは、外科的処置により歯茎の位置を下げて歯の生えている部分の長さを出す手術のことです。 歯の長さが短く、見た目に支障が生じている場合や、虫歯が歯茎の中にあり通常は抜歯のケースとなってしまう歯を、抜かずに残す場合などに適応されます。
歯周組織再生治療
歯周病の進行によって失われた、歯を支える骨や歯茎、歯根膜を再生させる外科手術です。手術の方法には、エムドゲインゲルと呼ばれる国が認可している安全性の高いタンパク質の薬剤を使用したエムドゲイン法、人工骨とエムドゲインゲルを使用した骨再生療法、吸収性のある人工膜を使用して組織の再生を促すGTR法、など様々あります。破壊されてしまった歯周組織の状態を正確に診断し、適切な手術法を選択する必要があります。
歯肉移植術
歯並びや歯周病、歯ぎしりや力の強いブラッシング等、様々な原因で下がってしまった歯茎のラインを 上の歯の裏側の厚みのある歯肉から移植弁を一部採取し、患歯部の歯茎と特殊な方法で縫合して形を整える手術です。
歯茎が下がってしまうと見た目に支障が出るだけでなく、歯の敏感な部分が露出するため知覚過敏や虫歯になりやすくなります。
歯肉を移植することで、歯の支えとなる土台がしっかりし、歯肉の厚みが改善され見た目の変化だけでなく、虫歯歯周病予防にもなります。
歯肉弁移動術
歯肉移植術同様に、様々な原因で下がってしまった歯茎のラインを、移植弁は採取せず、患歯部の歯茎を特殊な切開方法で引っ張り上げてきて縫合し形を整える手術です。エムドゲインゲルを併用することもあります。